インフレが争点になっていますのでインフレについて整理したいと思います。
インフレは「物の価値が上がって、通貨の価値が下がる」ことです。
インフレには良いインフレと悪いインフレがあります。
良いインフレとは消費や生産が順調である場合です。
活発な消費によって商品の価格を上げることができれば企業の収益や給与が増えます。
この場合の価格上昇は経済の成長と評価できて良いインフレと言えます。
日銀は年2%程度の安定した良いインフレを目標にしていますが、
緩和を継続しても活発な消費にはつながっていません。
悪いインフレとは通貨価値の下落や物資不足によるものです。
経済や政治の不振で通貨が信用を失えば他国に対して通貨の価値が下がります。
また、物資が不足すると価格が上昇するので物の価値が上がります。
この場合は悪いインフレと言えると思います。
経済的に不安定な国は自国の通貨の価値が下がる悪いインフレを恐れています。
自国の通貨の価値が下がると輸入が困難になり物価が上昇する悪循環が生じます。
よって、通貨の価値を維持するために政策金利を上げる必要が出てきます。
これがFXで言うところの高スワップに結びついています。
さて、今回のインフレですが、
新型肺炎収束による活発な消費に生産が追い付いていないのが原因とされています。
つまり消費が落ち着いて生産が戻ればインフレは収まるということです。
これがFRBやECBがインフレは一時的との見通しを立てている理由のひとつです。
ただ、双方が少し長引くかもしれないとの見解を出しているのが気になります。
もしインフレが中央銀行の予測に反して長期化するのであれば、
物価の上昇が企業の収益を圧迫して経済に悪い影響を与えると考えられます。
すでにインフレで燃料価格の高騰や半導体不足が問題になっています。
インフレについては各国が物価指数を定期的に発表しているので、
物価指数の発表を見てインフレについての見通しを確認するのは重要でしょう。
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