当ブログ1000件目の投稿になるので書いてみます。
EUR/USDはUSD/JPYのように円基準でないので日本人にはわかりにくいと思います。
よって、ここでわかりやすく解説してみます。
世界の基軸通貨はドル(USD)であり、ドル基準で取引が行われます。
ユーロ(EUR)は世界で2番目に取引量が多いですが基軸通貨ではありません。
EUR/USD=1.0の場合を考えます。
これは1ユーロを1ドルで買えるということを意味します。
つまり1ユーロと1ドルの価値が同じということですね。
EUR/USD=2.0になると、1ユーロを2ドルで買えるという意味に変わります。
1ユーロを買うのに2ドル必要なので、ドルに対してユーロの価値が上がったと言えます。
EUR/USDの場合、分母の通貨で分子の通貨を売り買いすることになります。
つまり、まずドルを用意して、そこからユーロを売ったり買ったりすることになります。
日本の通貨は円(JPY)ですからまず円をドルに変換する必要があります。
EUR/USD=1.0のとき、USD/JPY=100円なら1ユーロの売り買いに100円必要です。
実際に1万通貨単位の取引を行う場合を考えます。
1万通貨単位であれば1万ドルの取引になりますので、
EUR/USD=1.0のとき、USD/JPY=100円なら100万円の資金が必要です。
FXの場合25倍のレバレッジがあるとすると資金は実際に4万円です。
1万通貨単位を買った場合、EUR/USD=1.0000が1.0001になったとします。
この場合、USD/JPY=100円なら上昇ぶんの利益は100円になります。
EUR/USDでは1pipsを0.0001としますが、この場合は1pipsが100円ともいえます。
もちろんUSD/JPYが変動すればEUR/USDの1pipsが何円かは変動します。
さて、個人のEUR/USDの取引について考えていきます。
まず買いについて考えます。
EUR/USD=1.0(1ドルが100円)であった場合、
まず100円で1ドル相当の1ユーロを買ったことにします。
為替が変動して、EUR/USD=2.0(1ドルが120円)になれば、
1ユーロは2ドル相当なので、円に換算すれば240円になります。
よって、差額の240-100=140円が利益になります。
次に売りについて考えます。
EUR/USD=1.0(1ドルが100円)であった場合、
まず100円で1ドル相当の1ユーロを売ったことにします。
為替が変動して、EUR/USD=2.0(1ドルが120円)になれば、
1ユーロは2ドル相当なので、円に換算すれば240円になります。
この場合は差額の返済になるので、差額の140円が損失になります。
USD/JPYの変動によっても損益は影響しますので注意しましょう。
FX会社はこのあたりをどのように取り扱っているでしょうか。
FXで通貨を買う、売る場合には両方とも返済の義務を買うという扱いになります。
買いも売りも価格が変動したら損得があり、必ず決済する義務があるということです。
この場合、顧客の利益が増えれば、他の顧客の損失と相殺することもできますが、
顧客側の利益が大きい場合には、FX会社は顧客側の利益ぶんだけ損をします。
そうならないようにFX会社は市場で顧客と同等の実際の取引を行います。
FX会社が行う実際の取引のことをカバー取引といいます。
FX会社はカバー取引を金融機関に委託しています。
カバー取引の割合についてはFX会社によって異なるようです。
金融機関は必要な外貨を調達するのが仕事ですから、
必要な通貨で必要な通貨を買うなどの取引を実際に行います。
金融機関の取引の詳細はよく知りません。
EUR/USDに関わらずFXではスプレッドがあります。
スプレッドとは売りレート(BID)と買いレート(ASK)の差の開きのことです。
スプレッドは手数料の意味もありますが、
急激な値動きをする場合にカバー取引が追い付かない場合があります。
その場合の補償とも言われています。
EUR/USDで+1000円で利確し、-1000円で損切りする計算を考えます。
USD/JPYは110円前後で変動を想定しますが、計算では110円で固定とします。
EUR/USDの通常スプレッドは0.4pipsとします。
+1000円で利確を狙う場合を考えます。
EUR/USDのBIDが1.00100、ASKが1.00104であるとき、
1000円の利益を得るには1pips110円が0.0001なので、
1000割る110で9.1pips程度、つまり0.00091の上昇が必要です。
買ったときのASKの値に9.1pipsを足した値がBIDの値になったときに売ります。
よって、EUR/USDのBIDが1.00195、ASKが1.00199のときに売ります。
1.00104で買って、1.00195で売るわけですが、
実際には0.00095の上昇値動きが必要になります。
-1000円で損切りする場合を考えます。
EUR/USDのBIDが1.00100、ASKが1.00104であるとき、
1000円の損失は1pips110円が0.0001なので、
1000割る110で9.1pips程度、つまり0.00091の下落で発生します。
よって、EUR/USDのBIDが1.00013、ASKが1.00017で発生します。
1.00104で買って、1.00013で売るわけですが、
実際には0.00087の下落の値動きで損切りとなります。
以上のように目的の損益金額の注文を入れたい場合には単純に円からpipsを計算して、
そのpipsだけ上で利確、下で損切りとすれば良いです。
逆に、買った位置から10pips上で利確、10pips下で損切りとすると、
そのときの差は0.8pipsになりスプレッドの倍の差がでることになります。
スプレッドがあると予想外に損をしていることがわかります。
上昇と下落が同確率のランダムウォークでシミュレーションすると、
0.4pipsのスプレッドの効果で勝率は50%から47.8%程度に下がるようです。